🎹 弾けるようになるのは “続けた人”
子どもの頃、ピアノの練習を休めるのは
「お盆とお正月」と「高熱のとき」だけでした。
毎日練習するのは特別じゃなくて“当たり前”。
続けることが、空気のようにしみ込んでいた気がします。
だから先生になったとき、
生徒さんに対して「練習しないならやめなさい」という言葉を聞くと、
育っているお花への水やりを途中でやめてしまうように思えました。
つぼみはこれからなのに…と。
でも、保護者の立場になるとわかったんです。
送り迎えをして、お月謝を払って、応援しているのに練習しない日が続くと切なくなる。
がんばってほしい気持ちと、無理にさせたくない気持ちの間で揺れてしまう。
その思いは、どちらも本物で、どちらも愛情です。
だから私は、こう考えるようになりました。
「5分だけ弾いてみようか」
(小さい時は「時計の針が12から5まで」など)と声をかけても、
弾けない日があるのは、“ダメな日”じゃない。
練習できた日が、もっと輝くための準備期間。
ゆっくりでも、止まって見えても、
子どもの心の中ではちゃんと変化が起きている。
本人が気づかないほど静かで、ゆっくりと。
水やりが続く限り、お花が育つように――
子どもの心も、必ず育っています。
弾けるようになるのは “続けた人”。
でも、その続け方は、一人ひとり違っています。
次回は、
「練習できない時期は止まっている期間ではない」
というお話をお届けします。