思い返すと、私が子どもの頃、
家の中ではいつも母の歌声が流れていました。
童謡だったり、母が好きな歌だったり。
私もとなりで一緒に歌ったり、ただ聴いていたり…。
その時間は、今でも心の奥にやさしく残っています。
童謡は、言葉のイントネーションに合わせてメロディーが作られています。
だから、歌うたびに言葉の抑揚やリズム、フレーズの流れが
自然と身体に染み込んでいきます。
今思えば、あの“歌のある暮らし”が
私にとって音楽の根っこになっていました。
🌱 歌は、音楽のいちばん最初の入口です
ピアノは、指を動かすだけの習い事ではありません。
音を感じて、音で気持ちを伝える楽器です。
そのためには、まず自分の声で音を味わうことがとても大切です。
お子さまが歌っている時、
•音の高低
•フレーズの流れ
•リズムの感覚
•言葉のイントネーション
など、音楽の土台が豊かに育っています。
歌うことができる子は、後にピアノでも自然と“表現する力”へつながっていきます。
ですので、「最近、歌ばかりでピアノを弾かないんです…」という時期があっても、大丈夫です。
それは音楽から遠ざかっているのではなく、
むしろ音楽の中心にいる時間なんです。
🌼 おうちでできる、いちばん良いサポート
お子さまが歌っていたら、ぜひそっと近くで一緒に口ずさんでみてください。
特別なことをする必要はありません。
昔の童謡でも、季節の歌でも、今好きな歌でも大丈夫。
大人と子どもが声を合わせるその瞬間、
それはもう立派な“音楽のレッスン”であり、
同時に、心をつなぐ豊かなコミュニケーションの時間です。
歌声のあるおうちは、音楽の土台がすくすく育つ場所です。
どうか安心して、その時間をたくさん楽しませてあげてくださね。