ぬりえを見せてくれたあと、指番号のおさらいをしていたときのこと。
プリントに描かれたイラストから、突然「コッココ、コッココ、バーーー!」と楽しいフレーズが飛び出しました。
そのときのSちゃんは、生き生きとした表情で、目をきらきら輝かせながらリズムを口にしていました。
実は、レッスンを始めた頃は「レッスンで何かをする」ということ自体がなかなか難しいことが多かったのです。
けれども今は、積極的に発見したことを伝えてくれるようになりました。
「この言葉を音符にすると、こんなリズムになるよ」
そうお話しすると、気持ちが先に走ってなかなか合わなかった口と指のタイミングも、繰り返すうちにぴったり重なりました。
その達成感に満ちた笑顔は、まさに講師冥利に尽きる瞬間でした。
子どもたちの「好き」「楽しい」から始まる小さな発見は、少しずつ大きな自信へとつながっていきます。