千葉市花見川区幕張町の
アマービレピアノ教室です。
7月で引っ越しのためにレッスンを卒業したYくん。
レッスンを始めた頃は、落ち着いて座っていることも難しく、気分が乗らないとやらない日もありました。
正直、どうやって向き合えばいいのか悩み、試行錯誤することもありました。
それでも、Yくんは毎週笑顔でレッスンに来てくれました。
少しずつ変化が見られたのは、お母様のレッスンの付き添いから卒業した頃からです。
「今日は先生とレッスンするからあとでね。」とお母様にお迎えだけをお願いして、足早にレッスンの部屋に入って来るようになりました。
毎週顔を合わせ、音やリズムなどの楽しい取り組みを通して、少しずつ信頼関係を築いていきました。
一年が経った頃には表情も音も柔らかくなり、「今日はやらない」と言っていたYくんが、
「今日はここまでなの?」
「もう少しやりたい」
「むずかしかったけどがんばったよ」
「ひとりでがんばったよ」
こんなセリフがポンポンとレッスンの中で出てくるようになりました。
元々好奇心旺盛で、気になることが多くてその気持ちをコントロールが難しい生徒さんでした。
様々な取り組みで気持ちのコントロールができるようになりました。
椅子に座った時の姿勢や足の落ち着きなさも、学んだ方法で改善に導くことができました。
そして迎えた卒業の日、最後のレッスン。
レッスンを始めた頃によく使っていた教材や道具を手に取って「先生、少しこれをしてもいい?」と聞きました。
一年前は、私に承諾を得ることもなく勝手に引っ張り出して、教材や道具の扱いも乱暴でした。
目の前のYくんは、懐かしそうに丁寧に道具を扱い、レッスンしたことを「もう簡単になったよ」と話してくれました。
苦手で「まだできないかも」と話していた両手奏を「3きょく、がんばれたよ!!」と聴かせてくれました。
また一つ乗り越えて、自信に満ちた演奏と笑顔は動画にしてお母様にお送りしました。
ピアノの上達や技術ももちろん大切ですが、この過程で育まれる「音楽と遊ぶ心」「できた!というよ喜びと自信」はYくんの中に定着していると感じました。
これからも、ピアノに限らずいろいろな事に挑戦し、乗り越える喜びをたくさんしてほしいなと願います。
悩み、学び、レッスンしたYくんとの日々は、思い返すと熱いものが目からこぼれてしまいますが、それだけ真剣に向き合えて、全てが宝物になりました。